日本を代表する伝統的な食べ物に、お餅があります。特にお正月などでは、新年を象徴する食べ物として、日本中の家庭で食べられているかと思います。
そんな、お餅ですが白米や麺類に比べて、のどに詰まらせやすいというデメリットがあります。高齢の方に限らず、お子さんや、若い方でも喉に詰まらせて窒息してしまうリスクがあります。
そこで、今回はもしもお餅が喉に詰まってしまったらどのように対応すればいいのか、紹介させていただきます。
お餅が喉に詰まった時の対処法
そもそも、餅を詰まらせるとなぜ危険なのかですが、それは気道を餅が塞いでしまい呼吸が出来なくなってしまうからです。最悪の場合、命を落としてしてしまう可能性があります。
餅をつまらせた時のサインに気づく!
餅を詰まらせて時の対処の前に知っておかなければいけないのが、餅を詰まらせた時のサインです。
いくら対処法を知っていたとしても、異変に気づくことが出来なければ手遅れになってしまう可能性もあります。
持ちを詰まらせた時のサインについても、合わせて覚えておいて下さい。
次のような症状があるときは、異物が喉に詰まった(気道閉塞)の可能性があります。
①咳込んだり、苦しそうにしている 。
②声を出せず、喉をつかむ動作をする(チョークサインとも呼ばれる)
③顔色が悪い。

餅を喉に詰まらせたときに、まず行うこと
まずは呼びかけてみて、声が出せるかどうか確認し、声が出せない場合は、喉に詰まった餅の除去を開始します。
もし咳をすることが可能であれば、できるかぎり咳をさせて取り出します。
強い咳をすることもできないときには窒息と判断し、大声で助けを呼んで周りの人に119番通報やAEDの搬送を依頼します。そして、直ちに気道異物除去を行います。救助者が1人の場合、餅を詰まらせたかたに反応がある間は、119番通報よりも異物除去を優先してください。
呼びかけに反応がない場合、また、応急手当の間に反応がなくなった場合は、直ちに心肺蘇生の手順を開始してください。
①声が出るか確認
②咳をさせる
③周囲に救援を要請(119とAEDの依頼)
④異物の除去を試みる
⑤反応が無くなった場合は心肺蘇生に切り替える
気道異物除去の方法
《1》背中を強く叩いて詰まったものを吐き出させる
背中を力強く叩いて詰まったものを吐き出させる方法を、「背部叩打法(はいぶこうだほう)」といいます。
手順は次のとおりです。
1.背中を強く叩く
手のひらの付け根部分で左右の肩甲骨の中間あたりを、数回以上力強く叩きます。

《2》相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く
相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く方法を「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」と言います。
背部叩打法で餅が出てこないときは、次に「腹部突き上げ法」を行います。ただし、この方法は、乳児や妊婦、高度肥満のかたには行ってはいけません。
相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除く方法です。
①相手の後ろにまわり、両方の手を脇から通し、ウエスト付近に手を回します。
②一方の手で握りこぶしをつくり、その親指側をへそより少し上に当てます。
③その握りこぶしをもう一方の手で握って、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。

もし窒息への対応が途中で分からなくなったら、119番通報をすると通信指令員が行うべきことを指導してくれますので、落ち着いて指示に従ってください。
なお、腹部突き上げ法を実施した場合は、腹部の内臓を傷める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、速やかに医師の診察を受けさせてください。
まとめ
今回は、お餅が詰まった時の対処法について紹介させて、いただきました。
こういったトラブルはないにこしたことはありませんが、万一の際に冷静の対応出来るよう是非覚えておいて下さい。
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